京都議定書採択10年「メルケル独首相来日記念シンポジウム」報告

Symposium aus anlass des Besuchs von Bundeskanzlerin Dr.Angela Merkel in Kyoto
香川日独協会会長  中村敏子

8 月31日、国立京都国際会館に於いて1部パネルディスカッション「環境から社会をどう変えるか~ジャパン・モデルを目指して~」、2部メルケル独首相記念 講演「ドイツと日本―未来への共同責任において」が催されました。
1部は企業、行政、市民団体、そしてドイツ企業の各代表がそれぞれの立場で独自の取り組みを話され、特にSchott最高責任者ウド・ウンゲホイヤー氏の 太陽電池の開発、尼崎市長白井文様の壁面緑化など地域での温暖化対策に興味深いものがありました。
2部のメルケル独首相講演会の開会直前、100人をこえるドイツ随行団(政治、経済界要人)が入場され前方の空席を埋め尽くした様は圧巻でした。
メルケル独首相はゆっくりと壇上にたたれ凛として講演をはじめられました。
(毎日新聞9月7日20,21面掲載)

講演終了後、京都大学の学生3人がたってそれぞれ首相に直接質問をする場面がありました。その1人の女性が「博士課程を終了しても日本では就職がむつかし い。私も首相のようになりたい。ぜひアドバイスを!」との問いかけに博士号をもつ首相は「法学、経済学者の多い政治家の中で自然科学者である私は話の中に 数字が多いという人もいる。あなたもがんばって!」と笑顔で励まされ会場が和みました。一気に壇上の首相を近くに感じたのは私だけでしょうか。こうした気 概のある若者がいる日本、そしてそれをしっかりと受け止めてくださるドイツの女性首相。日独交流もこれからは若者が牽引力となって 積極的に交流して欲しいとせつに感じました。

(毎日新聞9月1日掲載)