ドイツ便り ボン=ライン=ズィーク大学

image01こんにちは、香川大学工学研究科の清家都宏と申します。
現在、私は香川大学の教育プログラムを利用し、今年の9月末から国際インターンシップ研修生としてボンに滞在しています。普段は、受け入れ先であるボン=ライン=ズィーク大学の研究室で、有機化学に基づく研究に携わらせていただいています。
ボンに来てから早1ヶ月半が過ぎ、だいぶこちらでの生活にも慣れてきました。
とはいえ、やはり1日1日が新しい経験の連続です。したがって、日常は大変目まぐるしく、退屈している暇がありません。
慌ただしくも楽しい毎日を過ごす中で、ボン独日協会・香川日独協会の方々をはじめ、家族や親族、友人や先輩・後輩など本当に多くの人に支えられて自分は生きているということを改めて実感しています。このたび、ドイツ便りに寄稿させていただける機会をいただきましたので、私のドイツでの生活を少しだけ紹介させていただきます。


ボン独日協会月例会・庭園見学

image02つい先日、ボン日独協会の月例会に参加させていただきました。協会会員の小林さんから招待していただき、10月の月例会も含め、今回で2回目の参加となりました。毎回、おいしい食事とお酒を交えながら現地の方々と楽しい時間を過ごさせていただいています。

また、少しさかのぼりますが10月29日には、ボン日独協会を通じて知り合った佐藤さんの働いている庭園へ見学に行かせていただきました。
このボン郊外にある庭園は、多種多様な植物を収集し、保護することを目的としています。3種類の趣向の異なる庭園があり、日本人にはおなじみのモミジやイチョウの紅葉も観ることができます。
佐藤さんに園内をガイドしていただきながら、気候や植生が、生態系や私たち人間の暮らしに深く関わっているという本当に興味深いお話を聞かせていただきました。

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週末の過ごし方

催し物
ボンの市庁舎前のマルクト広場では、野菜や花などの市場のほかにも、定期的にイベントが催されます。この日は、生まれて初めて野外でクラシックコンサートを鑑賞しました。
ボンはベートーベンとシューマンゆかりの街ということもあり、広場はたくさんの人で埋め尽くされていました。ただ、私がクラシック音楽の良さを理解するにはもう少し時間が必要なようです。

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旅行
11月2日と3日には、ヴュルツブルクとローテンブルクに旅行に行ってきました。

■ ヴュルツブルク
image08ボンの中央駅からICEという高速鉄道に乗り、約3時間でヴュルツブルクに到着しました。
マリエンベルク要塞からは、ヴュルツブルクの美しい街並みを一望できます。

マリエンカペレ→マリエンベルク要塞→アルテ・マイン橋→聖キリアン大聖堂と、一通りヴュルツブルクのスポットを回った後、最後にレジデンツ(世界遺産)に訪れました。荘厳な雰囲気の宮殿に加え、庭園も世界遺産に指定されているそうです。
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■ ローテンブルク
ヴュルツブルクを後にし、さらに2回ほどローカル列車を乗り継ぎ、1時間かけて、ついに憧れの街、ローテンブルクにやって来ました。
ローテンブルクといえば、その美しい街並みから『中世の宝石箱』とも呼ばれおり、ドイツの観光ガイドには必ずと言っていいほど、この街とノイシュバンシュタイン城の写真が使われています。
(実際に日本人の観光客の方も大勢いらっしゃいました。)

image12ローテンブルク到着直後は、ずっと行ってみたいと思っていた街に、ついに念願叶って来られたという喜びで胸がいっぱいでした。
しかし、その約10分後、私のそんな夢見心地な気分は一掃されました。これが異国文化の洗礼というものなのでしょうか、、、
なんと、予約していたユースホステルがすでに閉まっていたのです。(チェックイン終了の10分前には到着したのですが、、)大慌てで代わりのホテルを探しますが、ほとんどのホテルは、すでに予約でいっぱい、もしくは、受付終了という状態でした。
街灯の少ない夜のローテンブルクを泣きそうになりながら、必死に走り回りました。半ば野宿も覚悟しましたが、なんとか空きがあるという一軒の宿を見つけることができ、人生初の野宿は回避することができました。

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ホテル探索中に発見したカボチャさえも憎たらしく見えてしまいました。

翌日は、ローテンブルクの旧市街をじっくりと見て回りました。中世の街並みがそのまま残されており、まるでおとぎ話の中のような世界でした。

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この旅を通して、中世ヨーロッパの美しい文化に触れるだけでなく、自分の持つ『常識やルール』というものが、いつでも、どこでも通用するわけではないという教訓を得ることができました。「念には念を入れて」という言葉の重みを改めて感じた旅でした。。


最後に

ドイツで生活をする中で、日々の何気ない出来事一つ一つが、私にとってかけがえのない経験となり自分を強くし、成長させてくれていると感じています。
残された期間、大学での研究活動はもちろんのこと、異文化との交流、人との出会いを大切にし、日々の生活を精一杯楽しみたいと思います。
また、日本へ帰国する際、「本当にこの国際インターンシップに参加してよかった。」と心から言えるように、日々精進していきたいと思います。
帰国後、香川日独協会のみなさんとお話するのが楽しみです。

[本文、写真 | 香川大学工学研究科 清家都宏]