ドイツ便り Juni 2013

みなさまご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。少しお休みしておりましたがドイツ便りを再開致します。今後ともよろしくお願い致します。

ゼンパーオーパー近くのエルベ川の様子
6月2日 エルベ川の様子
5月下旬は梅雨のようにしとしとと毎日雨が降りつづきました。時おり雷雨を伴い激しく降ることもありました。連日降り続いた雨により6月はついに11年ぶりの洪水がおこりました。11年前の洪水は旧市街地の主な観光地も全て水に浸かり、長く水が敷かず復興に時間がかかりました。そのため堤防を設置し、今回は街への水の進入を防ぐことに成功しました。その結果、街の中心部は被害が出ずすみました。しかし、私の住む地域は被害があり、未だに近所の薬局やショップは閉まったままになっています。再開までにはもう少し時間がかかるようです。

こちらは6月2日のゼンパーオーパー近くのエルベ川の様子です。切符売り場なども完全に水につかり、道路は冠水のため通行止めになっていました。ボートで船の様子を見に行く乗組員たちがいました。
ゼンパーオーパー近くのエルベ川の様子

ブリュールのテラスからの眺めはこのようになっていました。いつもはテラス下を観光客や車が行き来しとても賑やかな場所ですが、すっかり冠水しています。幸いにもテラスのしただけの被害で、ゼンパーオーパーなどの浸水はありませんでした。
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信号機や街頭を見るとその深さが容易に想像できます。
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その3日後(6月5日)、久しぶりに空が青く太陽が顔を出したので、家の近所を散歩してみました。こちらは家から徒歩3分ほどの小さなスーパーの前です。軍隊が出動し土嚢を積み上げています。左の方から水が来ていますが、川があるのは右側です。この辺は土地が低く、ずっと昔は川だった部分で洪水が起こると被害が出やすい地域です。この翌日はもっとたくさんの水が出ていました。
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軍が出動しているから厳戒態勢なのかと思いきや、水の中をこのように自転車でやってくる隣人もいて驚きました。トラムもストップし、車は通行止めなので食材や日用品を買いに来るにはこうするしかないのです。もう少し左に進むと水かさは70cmはあるとのことでした。
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左奥に広がる部分は本来は草原です。ふだんは緑が青々としていますが、この日は沼のようになっていました。
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土嚢を積み上げていた部分より右の方に歩いて行くと、エルベ川からの水と湧き水とで道路が冠水していました。しかし、よく見てみると・・・
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このように日光浴を楽しむ方々がいました。洪水ですが、久しぶりの太陽を満喫されているようです。比較的被害が少なく、また水が敷くまでは地下室などの片付けができませんから、今ある状況を楽しんでいるのでしょうか。とても不思議に思いましたが、この方々だけでなく、他にもバーベキューをしたり、庭で食事を楽しむ方々をけっこう見かけました。
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もう少し川の方に向かって歩くとこのような感じです。こうなると家の電気は使えないと思います。この付近の方々は避難する人もいるし、家で待機する人もいるといった感じです。
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こちらはいつも散歩に行くエルベ川へ続く細道です。川の水位はこの日7mほどになっていたと思います。真ん中の奥の方に写っている建物は、散歩の途中で休憩するベーカリー&カフェです。
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アップにしてみると、一階入り口のテントの屋根部分がかろうじて見える程度です。この辺は6月1日から2週間ほど立ち入り禁止になっていました。
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こちらの写真は家から100mと離れていないマンションです。一階のバルコニー下まで冠水していました。
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賃貸の庭です。きれいに手入れされた庭が冠水し、ここを借りている方々が様子を見に来てため息をついて帰って行きます。
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私の住む地域はドレスデンでも洪水被害の出やすいところですが、幸いにも私の住むマンション周辺数百メートルがこの地域で唯一土地が高く浸水を免れました。しかし、街へ出る道は冠水しているので離島と化しました。5日ほどは離島となっていました。一週間分の火を使わず食べられる食料(シリアスなど)や飲料水、ろうそくなどを準備していました。しかし、どうしても出かけなくてはならず困っていたところ、こんなサービスを発見しました。
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軍の車で別の線のトラムが走っているところまで送迎してくれる、というものです。このように自転車なども乗せてくれます。
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こんな感じで、たくさんの方々が利用していました。帰りは離島と化した地域への進入になるため警察官による身分チェックも行われました。物々しい感じでしたが、11年前にはなかったこのサービスにこの地域の人々は喜んでいました。
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三宅 グバレフ 真紀子
香川日独協会会員。ドレスデン日本人女性の会会員。
2011年12月より本格的にドレスデンで生活することになりました。ドイツの家族やその友人、独日協会、日本人の会の方々に支えられながら、ドイツ生活を送っています。