事後報告 イザローンを振り返る7 「剣は友を呼ぶ」

日々、暑くなっておりますがお元気ですか?
Nummer7をお送りいたします。
ある日、私に1本の電話がかかってきました。ギムナジウムに通う男の子からで、剣道を一緒にしましょう、という内容でした。私達はインターネットや知り合いを通じて剣道クラブを探し出し、イザローンの隣町のメンデンという町へ通うことにしました。大学時代に留学していたヴィースバーデンでも、このような調子で話が進み、週3回練習に通っていました。
「地域のスポーツクラブ」としての「剣道クラブ」であるため、小学生からおじいさんまで、様々な顔ぶれです。チャンバラごっこに影響された子供達、サムライ映画に興味を持ち長年続けている年配の方々、また、世界大会へ向けて苦しい練習をする若者達。。。
さて、ヴィースバーデンの時と同様、私がしなければならなかったことは、「剣道」について机に向かって勉強することでした。トレーニングとしての剣道は小さい頃からやってきましたが、きちんとした歴史や概念に関する剣道にはほとんど触れることがなく、ドイツの剣道家達からの様々な質問に答えられず、しばしば恥ずかしい思いをしました。
小さい時には心と体を鍛えるための厳しい剣道でしたが、ドイツでのトレーニングを通して、「剣道」の本質を勉強しながら楽しむものへと変わってきました。小さい時に学んだ技は体で覚えており、体が自動的に動きますが、それに加えて、その技の機能を詳しく分析することを、今回、メンデンでの練習でドイツ人の先生に教えてもらい、「なるほど」と今になって感心させられました。本来ならば日本人の私が教えなければならないのでしょうが。。。
最後に、日本から送ってもらった2本の竹刀をどうしようか考えた結果、1本はホストマザーに「身を守る」ためのお守りとして、もう1本は小さい頃剣道を習いたかったのに、危険だからという理由で習わせてもらえなかったという知り合いの人にプレゼントしました。(ちなみに、その人は今年、剣道を始めたそうです。)
長澤 あい