事後報告 イザローンを振り返る9 「幼稚園児はなかなか手ごわい」

暑中お見舞い申し上げます。洪水の後は、猛暑。。お体には御気をつけ下さい。
Nummer9をお送りします。
昨年9月と12月に、市内のヒンデンブルク幼稚園にお邪魔させてもらいました。
朝8時頃から、お家の方に連れられて子供達は幼稚園にやって来ます。そして、順番に持参した朝食をとっていきます。小学校でもそうでしたが、朝食をきちんと摂るということが徹底されているようです。園内は、年齢ごとに分かれた教室はなく、目的に応じた部屋(工作の部屋、おもちゃの部屋、読書の部屋、運動する部屋、落ち着く為の部屋、○○ごっこが出来る部屋など)があります。少し落ち着くと、朝の会が始まり、全員が円になって、歌を歌ったり、あるテーマについて学んだり、最後に先生(保育士)方が順番に「私は今日、○○の部屋で○○をします。」と言うので、それを聞いて子供達は自分が行きたい所へ散らばっていきます。時には、年齢に応じて、裁縫をしたり、市場へ買い物に出かけたりなど、特別活動も行われます。
「あい(私の名前)、おはよう。」から始まり、「積み木で遊ぼう。」「子供の役をやって。」「このゲームを一緒にしよう。」と忙しくなるのですが、一番困ったのが、やってみて初めて気付きましたが、「この本読んで!」というお願いでした。本は全部ドイツ語です。私の下手なドイツ語で申し訳ないと思いながら、しかも「これは何?」と聞かれると、分かりやすくドイツ語で説明してあげなければなりません。子供達は、理解できなければ、はっきりとそれなりの反応します。小さい子供は本を誰かに読んでもらうのがとても好きで、ホストマザーのお孫さんも同様でしたが、まるで試験を受けているようで大変苦労しました。「ドイツ語を勉強する時は音読をするべし。」と、手ごわい幼稚園児から教えられたのでした。言葉だけでなく、小さな体の全てを使って感情をぶつけてくる子供達に対して、慎重に言葉や態度を選びながら接していく先生方の姿にも色々と考えさせられました。
もう一つの「手ごわかった」ことは、街で私を見かけたら、所構わず大声で「あーいー」と呼ばれたこと、いや、呼んでくれたこと。
長澤 あい