ドイツ便り 2016 vol.1

みなさま、ご無沙汰しております。久しぶりの「ドイツ便り」です。

13322074_1059709597441711_2618601903634316156_n昨年10月に長女が誕生しました。
3675gのビッグな赤ちゃんでしたが、こちらドイツでは普通です。隣のベッドの赤ちゃんは200g大きくて、友人の赤ちゃんは4000gを超えていたり、日本人の感覚からすると驚く大きさです。赤ちゃんの大きさに限らず、出産事情は日本とは違う点が多いようです。日本で出産したことがないので本当のところはよくわかりませんが・・・。
今回はその違いを少し紹介したいと思います。

まずは、妊娠中の体重管理。こちらでは全く体重の制限はありません。エコー検査では赤ちゃんは順調に育っていましたが、「もっと肉を食べて!ママの体重増やして!」と毎回の様に注意されました。そして、ある体重に達すると拍手をいただき「やりとげたわね」と。最後はむくみも加わり結局14kgほど増えましたが何の問題もないとのこと。日本だったら絶対に注意されていると思います。幸い産後2週間で体重が元に戻りほっとしました。

臨月が近づいてくると出産する病院を決めます。通常の検診は臨月に入るまでは産婦人科の個人病院で受けますが、出産は分娩台のある総合病院や大学病院になります。病院を決めるにあたり、病院の出産に関する説明が定期的に行われているのでその説明会に参加します。施設を見せていただけたり、どのような出産(自然分娩、水中分娩、無痛分娩など)が可能なのか、赤ちゃんにもしものことがあった場合の対応などをいろいろと説明を聞くことができます。そして、自分にあった病院を選び、そこで臨月から出産まで検診を受け、出産方法を決め、出産に至ります。

私が出産した病院では、出産するとカンガルーケアができます。私は帝王切開で麻酔が効き過ぎて(初めは効かなすぎて量を追加され)眠ってしまったので、主人がカンガルーケアをしました。2人の子どもとは言え、少し残念な気分でした。病室に移るとお母さんも赤ちゃんも裸(オムツはつけています)でだっこしたまま一晩一緒に寝ます。その後はパジャマなどを着ますが、一日に30分は裸で抱っこするよう言われました。直接お母さんのぬくもりを肌で感じることで、お腹の外の世界に出たばかりの赤ちゃんが安心するとのことです。基本的に赤ちゃんとお母さんは同室で、赤ちゃん用のベッドはありますが、お母さんのベッドで一緒に寝ることの方が多かったです。

そして、退院後は助産師さんが自宅にやって来てくれ、赤ちゃんの状態やママの体調チェックの他、育児のアドバイスをしてくれたり、相談に乗ってくれたりします。2ヶ月くらいに渡り計10回ほど来てくれます。これも保険でまかなってくれるので、産婦人科での検診、出産、産後ケアは基本的には費用はかかりません。特別な検査(胎児ドッグ:高齢出産など対象の年齢の方は無料。不妊治療:ある年齢までは補助金有り。胎児の血液検査など)のみ自己負担または一部負担になります。

また、沐浴も日本とはずいぶん違っているのではないでしょうか。日本では毎日1回が基本で、耳に水が入らないように細心の注意を払います。ベビーソープや沐浴後はクリームなども使いますよね。こちらは生後2週間は沐浴はしません。その後も週に1回。暑い時期で週に2回とのことです。私の助産師さんの方法かもしれませんが、ベビーソープなどは使わず、お湯のみで沐浴をし、その後はオリーブオイルかひまわりオイルでお肌を保湿します。初めての沐浴で赤ちゃんの耳がお湯の中に浸かり慌てていると「鼻と口が水から出てれば大丈夫!」と、なんともたくましい言葉を頂きました。

「ドイツでは赤ちゃんの頃から子ども部屋で1人で寝かせる」というのを聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。しかし、そうばかりではなく、こちらもアドバイスをしてくれる助産師さんにより異なります。我が家の場合は、パパとママの間で一緒に寝るのがよいとのことで、退院した日から3人一緒に寝ています。両親の間で寝ることで、精神的に安定するそうです。そのおかげかどうか、今のところ夜泣きは全くありません。助産師さんによっては「両親と同じ部屋でベビーベッドに寝かせる」とか、昔ながらの「1人で子ども部屋に寝かせる」とかあるようです。

いくつになるまで続けるのかわかりませんが、産後退院してから毎日ビタミンDの錠剤を少しの水(赤ちゃん用のスプーン一杯)で溶かし飲ませます。日照時間の短いドイツでは、ビタミンD不足にならないための予防です。赤ちゃんの頃からスプーンでビタミンDを飲まされているので、離乳食が始まると抵抗なくスプーンで食事をしてくれます。こちらのビタミンDはお医者さんから処方箋を貰い、薬局に行くと無料でいただけます。

離乳食は赤ちゃんの成長具合もあるかと思いますが、娘は4ヶ月半ばでスタートするよう指示されました。そして5ヶ月半ばで2回食になり「肉などもどんどんあげましょう」と言われ驚きました。これは日本より離乳食もお肉を与える時期も少し早いスタートではないでしょうか。今は7ヶ月半ばで3回食になり、いろいろな物を食べられるようになりました。初めの頃は高熱を出し何度か入院しましたが、体力もついてきてすくすくと元気に成長しています。

そして、余談ですが、ドレスデン市からは赤ちゃんが生後6ヶ月になると、大人1人分のドレスデン動物園の年間パスが貰え、赤ちゃんとともに動物園に行くことができます。私も早速申請をして、年間パスをいただき動物園に行ってきました。それまでは絵本でしか見たことがなかったキリンやゾウに大喜びでした。また、いろいろな動物を見て楽しそうにしていました。こういったことまで補助があり、家族連れには嬉しいサービスです。

日本とドイツの違いを感じながらも、子どもが成長する姿は毎日の楽しみです。昨日できなかったことが今日できたり、いろいろなものに興味を持って活動的になってきたりと、娘の笑顔に幸せを感じています。

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グバレフ-三宅 真紀子
香川日独協会会員。ドレスデン椿の会会員。
2011年12月より本格的にドレスデンで生活することになりました。ドイツの家族やその友人、独日協会、日本人の会の方々に支えられながら、ドイツ生活を送っています。

「ドイツ便り 2016 vol.1」への2件のフィードバック

  1. 真紀子さん、
    初めまして。ドレスデンについて調べていた時真紀子さんを見つけメールしてしまいました。実は3月末からドレスデンに引っ越す事になりました。妊娠が発覚し産婦人科を今探しています。ドイツ語が話せないので英語が話せる病院を探しているのですがご存知ですか?
    初めてのメールでお聞きしてすいません。どうぞよろしくお願いいたします。

  2. 池上さおり様

    初めまして。三宅です。ご返信が遅くなり申し訳ありません。
    まずはご懐妊おめでとうございます。私が行っていた病院はおそらく英語は使われていなかったように思います。こちらで出産した日本人の友人に何人か聞いてみたいと思います。もうそろそろ引越の期間に入っていらっしゃる頃でしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、もしよければ、独日協会ドレスデンのFacebookで私宛にメッセージを送っていただけないでしょうか?その際にご連絡の取れるメールアドレスなどをお知らせいただけるととても助かります。ただいま、ドレスデンの独日協会が新たに発足したばかりで、Facebookのメッセージが唯一 協会と連絡の取れるツールとなっております。ご了承ください。よろしくお願いいたします。https://www.facebook.com/djgsdresden/?fref=ts

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