ドイツ連邦共和国功労勲章 受賞祝賀会

香川日独協会会長で株式会社タダノ名誉会長の多田野榮様が、ドイツとの経済文化交流における多大な功績によりドイツ連邦共和国より功労勲章功労十字小綬章の栄に輝かれました。香川日独協会会員一同も誠に喜びに堪えません。

2019(令和元)年5月19日(日)、香川日独協会の総会にあわせて、多田野会長の受賞祝賀会がJRホテルクレメント高松において、130名を超えるご来賓や各界の方々のご出席を得て盛大に挙行されました。祝賀会の模様を報告します。

まず、大坂靖彦副会長より多田野会長のご紹介をいただきました。以下、概略です。

会長は地域のグローバル化にも大変功績があり、国際交流協会会長として香川の世界との交流を常にリーダーシップを取って推進していただいている。特に1991年香川日独協会をつくろうというときに、資金が足りず寄付をお願いしたところ一言で「よし、やろう」と賛同していただいた。当協会がみなさまの支えはもちろんだが、今日あるのはひとえに多田野会長のおかげだと心から感謝している。1993年にはボンの独日協会と姉妹提携を締結したが、昨年はドイツを訪問しボンの要職の方と懇談し、ボンと高松市との交流を加速させていただいた。実は長く香川日独協会の会長就任を断られて来て何十年もその夢は叶わなかったが、実はその間も、大スポンサーとして支えていただいた。今後とも第一線でご活躍いただきたく会員一同心から念じている。

次に、ヴェルナー=ケーラー総領事からご祝辞をいただきました。

昨年11月に私がドイツを代表して勲章を多田野様にお渡しした。この勲章は、ドイツに特別の功労があった方にのみに授与されるものである。経済面での功績については、多田野様のリーダーシップなくしてタダノ・ファウン社の再生と世界市場での成功はありえないと言っても過言ではない。株式会社タダノのおかげで、再生前の雇傭も確保され、現在ではケムニッツ市でのタダノ・ファウン社は地域の重要な経済的牽引車としての役割を果たすまでになっている。香川日独協会は、数ある日独協会の中でも最も活動が活発な日独協会の一つである。また、単なる協会ゲゼルシャフトとしてだけでなく、若者共同体ゲマインシャフトとしても若者を惹きつけている。ドイツと日本には高齢化問題、気候変動、エネルギー問題などさまざまな共通の課題が存在する。価値を共有するパートナーとして我々は共に協力すべきである。今年の2月メルケル首相が東京を訪れ、多方面にわたる双方向外交を展開した。またあと1ヶ月足らずだが、議長国が日本であるG20サミットが大阪で開催される。しかし、真の日独友好は政治家だけではなく、あらゆるレベルでのイニシアティブが機能して初めて果たせるものである。まさに草の根の日独協会の活動こそが、その基礎を固めている。本日お集まりのみな様、関係各位そして多田野会長、これまでのみな様のご努力に改めて感謝の意を表するとともに、今回のドイツ功労十字勲章の受章を心からお祝い申し上げて私の祝辞とさせていただく。

つづいて、浜田恵造香川県知事からご祝辞をいただきました。

平成25年だったと思うが、日本人移住80周年の南米を訪問する際に、韓国の観光推進ということもあり、わざわざソウル便に乗ってソウル経由でニューヨークへ、そこからサンパウロ、さらにパラグアイへと6泊10日あるいは5泊10日という機中泊が非常に多い旅に多田野さんとご一緒したが、旅慣れたご様子だった。また、体育協会では国体のたびに現地に前日から入り、開会式に毎回出ていただいて、選手たちをいつも鼓舞されていた。スポーツに関してはみなさんご承知のように多田野さんはゴルフ場では鉄人クラスのレベルである。いろいろな方面でタダノのお仕事を通じて県産業に貢献され、日独交流のためのこれまでのご功績が評価されたものとお慶び申し上げる。今後さらに日本とドイツ、香川県とドイツ、また県の国際交流全体にご貢献いただきご活躍されるよう祈念している。

つづいて、大西秀人高松市長からご祝辞をいただきました。

多田野さんは昭和34年からタダノに入られて以来要職を歴任されているが、特にドイツとの関係がすばらしいと印象に残っている。タダノがドイツのファウン社を買収するときに、直接の担当としてドイツに乗り込み、ドイツの経営者、労働者の方々と膝を突き合わせ何度もやりとりをしながら話を詰めていった。そのときに考えたのは、労働者の雇用を長期的に守らなければならないこと、ファウン社をタダノが入ることによってより大きく発展させていく、その間の継続的な活動ができるような礎を作ることだと言われていた。聞くところでは、ファウン社はヨーロッパで第二位のクレーン会社になっている、この点でも多田野さんのご功績はすばらしく、今回の受賞につながったと思う。また、高松市もボン市と交流をしないかというお話をいただき、昨年の秋多田野さんの仲介でボン独日協会のザビーネ会長さんに準備していただき、ボン市長、ボン大学学長、ベートーヴェン記念館館長の各氏にお会いし、両市の交流のさまざまな可能性についてお話をさせていただくことができたことは本当にありがたく思っている。

そして、多田野会長からご挨拶をいただきました。

今回ドイツ連邦共和国のシュタインマイアー大統領から勲章をいただいた。身に余る来賓の方々からのお褒めの言葉をいただき、大変恐縮するとともに感謝の気持ちで一杯だ。今から28年前香川日独協会の設立に私も参加させていただいた。ボン独日協会との姉妹提携を経て今日まで民間の草の根外交、会員のみなさんと手を携えて交流に努めてきた結果このような賞につながったのではないかと考えている。そういう意味では、この勲章は私個人のみならず香川日独協会会員全員にいただいたものとしてみなさんとともに喜びを分かち合いたいと考えている。この勲章の推薦にあたって、本日大阪から駆けつけてくださった元駐独日本大使である神余隆博さん、大坂靖彦さんのお二人に推薦状に特段の尽力をいただいたのが今回の受賞につながった。お二人にもこの席をお借りしてお礼を申し上げたい。さて、5月1日から元号も令和に代わって日本は祝賀ムードに覆われているが、来年2020年は東京オリンピックの年である。また一方ドイツでは、ベートーヴェンの生誕250周年にあたる。日本とは交響曲第九を軸に交流がさらに深まることと期待する。また、科学技術、環境、情報、医療などいろいろな場面で両国の関係が深まると思う。われわれは民間の日独協会ではあるが、民間の草の根外交、友好増進はもちろんのこと香川県、高松市、香川大学、官民あげてドイツとの交流が深まることを願っている。

このあと、多田野会長と、長らく会長を支えてこられた奥様の由美子様のお二人に花束を贈呈させていただきました。

引き続き祝賀会は、歓談と会食に移りました。この間、弦楽四重奏団 Viel Spaß String Quartet のみなさんが、バッハの「G線上のアリア」やモーツアルトの「狩」など名曲の数々を演奏し、和やかな雰囲気の中、祝賀会に花を添えていただきました。

各テーブルで歓談の輪が広がっていましたが、とりわけケーラー総領事には、多くの出席者の方が話しかけていました。総領事は大変きさくな人柄で、みなさんとにこやかにお話しを楽しんでいらっしゃいました。

楽しい雰囲気の中、多田野会長の受賞を多くのみなさんとともにお祝いすることができたことを大変喜ばしく思います。祝賀会がお開きとなったあと、会長ご夫妻と発起人のみなさんとで記念撮影を行いました。