デュッセルドルフ独日奨学財団会員との交流会

9月9日(月)午後6時15分より、高松市郷東町の香川日独協会事務局事務所(平成レッグス株式会社内)においてデュッセルドルフ独日奨学財団会員との交流会が開催されました。

会の前半は、午後7時までの予定で、引率者でもあるマイト・ピア智子さんの通訳によってドイツ人6名の若者と香川日独協会会員10名との間で、同奨学財団のレポートテーマである「地球環境」についてのディスカッションが行われました。住谷副会長・事務局長が準備してくださった資料をもとにエネルギー問題を中心に質疑応答が交わされました。

東日本大震災のあと脱原発の政策に転換したドイツの若者は、日本が原発にどのような対応をしていくのかということに関心があるようでした。2名のドイツ人はベルギー国境に近いアーヘン在住で、ベルギーの原子力発電所の安全性に問題があるため大きな不安を抱いているという話しも紹介されました。島国の日本と異なり隣国と直接国境を接するドイツの状況と、環境問題や政治に強い関心を持っているドイツの若者の姿が印象に残りました。


ディスカッション終了後は、事務所の建物の2階にある喫茶「萌木」に会場を移して午後7時から9時までのあいだ懇親会が行われました。

ここでは、親睦をはかるため参加者全員が自己紹介を行いました。奨学財団側のドイツ人は、芸術大学で文筆学を専攻している32歳の男性から高校卒業後起業している18歳の男性まで、大学や専門学校で統計学や機械工学などを学んでいたり製薬会社で生物実験をしたりしている若者たちでした。

彼らは、ほぼ9月いっぱい日本に滞在し、すでに東京で浅草を見学し、千葉県日独協会の人たちとも交流したとのことでした。その折に千葉県知事を表敬訪問したそうなので、あの知事は若い頃青春ドラマの主人公として有名な俳優だったと伝えると、意外そうに驚いていました。そして、香川のあとは岡山、奈良、京都を回り、9月17日からの10日間は東京で各自のテーマに基づいた研修を行うことになっているそうです。みなさん日本で経験することをとても楽しみにしているようでした。

楽しい歓談は、あっと言う間に時間が過ぎ、参加者全員別れを惜しみながら、われわれはタクシーでホテルに戻るドイツの若者たちを見送りました。

ビアフェスト 2019

2019(令和元)年8月23日(土)午後6:00より、丸亀町グリーン東館のナオシマ・アート・ダイニング・カネミツで27名の会員の皆様の参加を得て、ビアフェストが開催されました。

まず、多田野会長からご挨拶をいただきました。以下は概略です。

来年はボンで生まれたベートーヴェンの生誕250周年記念ということで、ドイツの国を挙げてボン市が主催する一大イベントが組まれることになっている。その中で、ボン独日協会のザビーネ会長と何度も打ち合わせをして、来年5月1日のジャパンディには、みなさんこぞってボンに繰り出しベートーヴェンの「第九」歓喜の歌をドイツ人と一緒に歌おうという企画も盛り上がっている。4月29日に集合して5月2日までボンでみなさん一緒に行動するという日程で、みなさんとともに楽しみたいと思っている。

次に、仁信由美子新副会長のご発声で乾杯しました。

善通寺出身で、西の大学で国際交流の仕事をしていた。香川日独協会のような国際交流の団体に協力できることは大変うれしいことだと思っている。精一杯頑張って行きたいのでみなさんのご支援をよろしくお願いしたい。来年のボン訪問には20人の定員はあるができるだけ多くの方の参加を得て、5月1日には是非ボンでベートーヴェンの「第九」を歌い、いろいろな交流をして、楽しい旅ができるようこれからしっかり準備していきたい。

歓談・会食に移ったのち、お店の大坪料理長様からご挨拶をいただきました。

日独協会の皆様の集まりということでドイツ料理を入れて欲しいとのご要望もあり、和洋折衷型でご用意させていただいた。ドイツ料理では有名なアイスバイン、豚のすね肉を骨ごと一度塩漬けにし、3日から1週間塩漬けにし、これに野菜などを入れてつけ込み、それを新たに水からゆっくり炊きあげブイヨン煮で4、5時間かかる。表面は皮もついているのでトロトロという感じで、沖縄の豚足のように仕上がった料理だ。ドイツだとウィンナーやザウアークラウトを添えてあとジャガイモを蒸し上げたものを添えて召し上がるドイツの一般的な料理だ。ビールと一緒にじっくり味わっていただきたい。

そして、西原浩副会長の中締めで楽しい会はお開きとなりました。

ビアフェストで美味しい料理とお酒をいただいて、大いに元気を得た。来月はオクトーバーフェストもあり、来年は5月にボン独日協会との交流も予定されている。実は私自身は、20数年前ドイツのシュトゥットガルトに自分の仕事で1年近く行っていたが、そのとき観光でケルンの大聖堂を見学し、その帰りにボンに寄ろうと楽しみにしていたが、雨が降ってきて寄ると大変だということで寄ることができず未だにボンには行ったことがない。そういうわけで、今まだ検討中だが、行けたらいいなと念願している。皆さんにも多くの方々に一緒に行っていただけたらと思っている。

ドイツ連邦共和国功労勲章 受賞祝賀会

香川日独協会会長で株式会社タダノ名誉会長の多田野榮様が、ドイツとの経済文化交流における多大な功績によりドイツ連邦共和国より功労勲章功労十字小綬章の栄に輝かれました。香川日独協会会員一同も誠に喜びに堪えません。

2019(令和元)年5月19日(日)、香川日独協会の総会にあわせて、多田野会長の受賞祝賀会がJRホテルクレメント高松において、130名を超えるご来賓や各界の方々のご出席を得て盛大に挙行されました。祝賀会の模様を報告します。

まず、大坂靖彦副会長より多田野会長のご紹介をいただきました。以下、概略です。

会長は地域のグローバル化にも大変功績があり、国際交流協会会長として香川の世界との交流を常にリーダーシップを取って推進していただいている。特に1991年香川日独協会をつくろうというときに、資金が足りず寄付をお願いしたところ一言で「よし、やろう」と賛同していただいた。当協会がみなさまの支えはもちろんだが、今日あるのはひとえに多田野会長のおかげだと心から感謝している。1993年にはボンの独日協会と姉妹提携を締結したが、昨年はドイツを訪問しボンの要職の方と懇談し、ボンと高松市との交流を加速させていただいた。実は長く香川日独協会の会長就任を断られて来て何十年もその夢は叶わなかったが、実はその間も、大スポンサーとして支えていただいた。今後とも第一線でご活躍いただきたく会員一同心から念じている。

次に、ヴェルナー=ケーラー総領事からご祝辞をいただきました。

昨年11月に私がドイツを代表して勲章を多田野様にお渡しした。この勲章は、ドイツに特別の功労があった方にのみに授与されるものである。経済面での功績については、多田野様のリーダーシップなくしてタダノ・ファウン社の再生と世界市場での成功はありえないと言っても過言ではない。株式会社タダノのおかげで、再生前の雇傭も確保され、現在ではケムニッツ市でのタダノ・ファウン社は地域の重要な経済的牽引車としての役割を果たすまでになっている。香川日独協会は、数ある日独協会の中でも最も活動が活発な日独協会の一つである。また、単なる協会ゲゼルシャフトとしてだけでなく、若者共同体ゲマインシャフトとしても若者を惹きつけている。ドイツと日本には高齢化問題、気候変動、エネルギー問題などさまざまな共通の課題が存在する。価値を共有するパートナーとして我々は共に協力すべきである。今年の2月メルケル首相が東京を訪れ、多方面にわたる双方向外交を展開した。またあと1ヶ月足らずだが、議長国が日本であるG20サミットが大阪で開催される。しかし、真の日独友好は政治家だけではなく、あらゆるレベルでのイニシアティブが機能して初めて果たせるものである。まさに草の根の日独協会の活動こそが、その基礎を固めている。本日お集まりのみな様、関係各位そして多田野会長、これまでのみな様のご努力に改めて感謝の意を表するとともに、今回のドイツ功労十字勲章の受章を心からお祝い申し上げて私の祝辞とさせていただく。

つづいて、浜田恵造香川県知事からご祝辞をいただきました。

平成25年だったと思うが、日本人移住80周年の南米を訪問する際に、韓国の観光推進ということもあり、わざわざソウル便に乗ってソウル経由でニューヨークへ、そこからサンパウロ、さらにパラグアイへと6泊10日あるいは5泊10日という機中泊が非常に多い旅に多田野さんとご一緒したが、旅慣れたご様子だった。また、体育協会では国体のたびに現地に前日から入り、開会式に毎回出ていただいて、選手たちをいつも鼓舞されていた。スポーツに関してはみなさんご承知のように多田野さんはゴルフ場では鉄人クラスのレベルである。いろいろな方面でタダノのお仕事を通じて県産業に貢献され、日独交流のためのこれまでのご功績が評価されたものとお慶び申し上げる。今後さらに日本とドイツ、香川県とドイツ、また県の国際交流全体にご貢献いただきご活躍されるよう祈念している。

つづいて、大西秀人高松市長からご祝辞をいただきました。

多田野さんは昭和34年からタダノに入られて以来要職を歴任されているが、特にドイツとの関係がすばらしいと印象に残っている。タダノがドイツのファウン社を買収するときに、直接の担当としてドイツに乗り込み、ドイツの経営者、労働者の方々と膝を突き合わせ何度もやりとりをしながら話を詰めていった。そのときに考えたのは、労働者の雇用を長期的に守らなければならないこと、ファウン社をタダノが入ることによってより大きく発展させていく、その間の継続的な活動ができるような礎を作ることだと言われていた。聞くところでは、ファウン社はヨーロッパで第二位のクレーン会社になっている、この点でも多田野さんのご功績はすばらしく、今回の受賞につながったと思う。また、高松市もボン市と交流をしないかというお話をいただき、昨年の秋多田野さんの仲介でボン独日協会のザビーネ会長さんに準備していただき、ボン市長、ボン大学学長、ベートーヴェン記念館館長の各氏にお会いし、両市の交流のさまざまな可能性についてお話をさせていただくことができたことは本当にありがたく思っている。

そして、多田野会長からご挨拶をいただきました。

今回ドイツ連邦共和国のシュタインマイアー大統領から勲章をいただいた。身に余る来賓の方々からのお褒めの言葉をいただき、大変恐縮するとともに感謝の気持ちで一杯だ。今から28年前香川日独協会の設立に私も参加させていただいた。ボン独日協会との姉妹提携を経て今日まで民間の草の根外交、会員のみなさんと手を携えて交流に努めてきた結果このような賞につながったのではないかと考えている。そういう意味では、この勲章は私個人のみならず香川日独協会会員全員にいただいたものとしてみなさんとともに喜びを分かち合いたいと考えている。この勲章の推薦にあたって、本日大阪から駆けつけてくださった元駐独日本大使である神余隆博さん、大坂靖彦さんのお二人に推薦状に特段の尽力をいただいたのが今回の受賞につながった。お二人にもこの席をお借りしてお礼を申し上げたい。さて、5月1日から元号も令和に代わって日本は祝賀ムードに覆われているが、来年2020年は東京オリンピックの年である。また一方ドイツでは、ベートーヴェンの生誕250周年にあたる。日本とは交響曲第九を軸に交流がさらに深まることと期待する。また、科学技術、環境、情報、医療などいろいろな場面で両国の関係が深まると思う。われわれは民間の日独協会ではあるが、民間の草の根外交、友好増進はもちろんのこと香川県、高松市、香川大学、官民あげてドイツとの交流が深まることを願っている。

このあと、多田野会長と、長らく会長を支えてこられた奥様の由美子様のお二人に花束を贈呈させていただきました。

引き続き祝賀会は、歓談と会食に移りました。この間、弦楽四重奏団 Viel Spaß String Quartet のみなさんが、バッハの「G線上のアリア」やモーツアルトの「狩」など名曲の数々を演奏し、和やかな雰囲気の中、祝賀会に花を添えていただきました。

各テーブルで歓談の輪が広がっていましたが、とりわけケーラー総領事には、多くの出席者の方が話しかけていました。総領事は大変きさくな人柄で、みなさんとにこやかにお話しを楽しんでいらっしゃいました。

楽しい雰囲気の中、多田野会長の受賞を多くのみなさんとともにお祝いすることができたことを大変喜ばしく思います。祝賀会がお開きとなったあと、会長ご夫妻と発起人のみなさんとで記念撮影を行いました。