2023年(令和5年)2月22日(火)トリーア独日協会会員7名が来県され、香川日独協会会員5名と香川大学に留学中のアレックス君がお供をして観音寺市・三豊市・丸亀市を観光し交流を深めました。以下、その様子を報告します。
ドイツ人の一行は午前10時31分に特急うずしお8号で高松駅に到着し、出迎えた我々と合流した後、2台の大型タクシーに分乗して観音寺市に向かいました。
観音寺市に到着したのは、うどん屋さんが混雑し始めるお昼前で、我々は「かなくま餅福田」で香川県ならではのあん餅雑煮うどんを味わいました。ドイツ人の反応はさまざまでしたが、これまではつけ麺を食べる機会が多かったのか、「今回は、うどんが最初からどんぶりの中に入っていたので比較的食べやすかった」との感想も聞かれました。
食事の後、お店の駐車場で簡単な開会式を行い、ヨーハン=アウバート会長さんからご挨拶をいただきました。アウバートさんは、トリーア独日協会の会長として、またスポーツ少年団にも関わって独日の交流に尽力してこられ、これまでに来日された回数は80回を超えるそうです。特に新潟県長岡市との交流に特別な功績があり、今回は長岡市の名誉市民として表彰されたとのことです。
さて、観光の手始めは近年「天空の鳥居」ということでインスタ映えスポットとして人気の高い高屋神社を訪れました。平日だったので、幸い対向車にはさほど頻繁には出くわしませんでしたが、細い坂道を登って頂上付近の駐車場にたどり着きました。そこからさらに急坂を徒歩で登らなければなりませんでしたが、神社の鳥居から眼下に観音寺市街と燧灘(ひうちなだ)が見渡せる絶景にはドイツ人の口から感嘆の声が漏れ、満足してもらえたようでした。
次に琴弾公園に移動し、高台から銭形砂絵を鑑賞しました。ドイツ人は、砂を使って江戸時代のお金をかたどっていることや、砂絵を美しく整えるために春と秋に市民が中心になって砂ざらえが実施されていることなどを面白く感じたようです。
続いて父母ケ浜を訪れました。ここは、干潮時には、南米ボリビアのウユニ塩湖のように空と海が上下シンメトリーのオシャレな写真が撮れることから、これまた最近人気のスポットになっています。ところが、我々がここを訪れた時間帯は、あいにく満潮から1時間ほどしか経っていない頃だったので、お目当ての絶景は見ることができませんでした。そこで、私のスマホの中に、以前夕暮れ時に息子夫婦を写した写真があったので、それを幾人かのドイツ人にお見せすると、「ここでこんなに美しい写真が撮れるのか!」と残念そうに感嘆の声を上げていました。
父母ケ浜の見学が短時間で終了することになったので、予定にはありませんでしたが、丸亀の本願寺塩屋別院にみなさんを案内することになりました。この寺院は、第一次世界大戦時にドイツ兵捕虜の収容所が置かれており、300名余りのドイツ兵が収容されていたドイツとゆかりの深い場所です。お寺の許可を得て本堂にも入らせてもらい、私のほうから、ドイツ兵捕虜は比較的自由な生活を送っていたこと、さまざまな文化活動やスポーツ活動もおこなわれていたことなどを説明させていただきました。みなさん興味を持ってくださり、とりわけアウバート会長さんはドイツ兵捕虜収容所に強い関心を持たれ、他の収容所跡にも行かれたことがあるそうで、予定になく急遽塩屋別院を訪問したことに「うれしいサプライズだ」ととても喜んでくださいました。
高松に戻り、さくらの杜保育園を見学した後、「珈琲萌木」で少し早めの夕食をとりました。今や日本の国民食の一つとも言えるカレーは、外国人にも人気が高いそうですが、夕食のカレーはドイツ人のみなさんにも大変好評のようでした。
夕食後ドイツ人一行はホテルにチェックインして暫し休憩をとってもらい、19時から瓦町FLAG8階の瓦町市民活動センター会議室で意見交換会をおこないました。
意見交換は、日独両国間の日独・独日協会やスポーツ少年団などを通じての交流会を活性化させる方策が中心テーマでした。とりわけ、若者の交流に重点を置くことの重要性について共通認識がもたれました。ドイツでは、独日協会、スポーツ少年団を問わず27歳以下の青少年に対しては国が経済的な補助をして海外交流を促しているそうです。日本にはそのようなシステムがないので、市や県の国際交流協会などに働きかけてスポンサーを捜す必要もあるのではないかとの意見も出されました。
また、ドイツでは1週間ほどのキャンプに諸外国の若者が参加する催し物があるそうで、香川日独協会としても、そのような催し物の案内をいただければ、若者の参加について実現可能な方策を探っていきたいとの意向が示されました。
意見交換の終了後、20時30分香川日独協会の事務所内で集合写真を撮影し、本日の交流会はお開きとなりました。
副会長 田村 慶三